予防医療

狂犬病ワクチン

年に1度の接種

人を含め全ての哺乳類に感染する病気です。今現在国内での発生はないものの国外では依然としてほとんどの国と地域での発生があり、発症すると人間もワンちゃんも100%死亡する恐ろしい病気です。そのため狂犬病予防法という法律により、ワンちゃんを飼うと生後91日目以降に一生に一度の登録と年に一度の接種が義務づけられています。

混合ワクチン

初年度は2~3回、2年目以降は年に1度の追加接種

狂犬病以外のいくつかの感染症に対するワクチン(ジステンパー、パルボ、アデノウイルスなど)が混合されたワクチンです。接種して免疫力をつけることによってこれらウイルス・細菌が体内に侵入したときのために抵抗性を強化する目的で接種します。いずれの病気も一度発症してしまうと、治療が難しく命の危険も伴うためできるだけ接種をお勧めしています。ペットホテルや犬猫同伴旅行先施設では接種必須になっている施設が多いです。

フィラリア予防

フィラリア予防シーズン(3・4~12・1月)の毎月の投薬

フィラリア症は心臓や肺に寄生虫が住みつくことで、咳や呼吸困難、腹水、血尿といった症状を発症する病気です。この寄生虫は蚊が吸血することによって動物から動物へと媒介されていきます。数十年前まではこの病気で多くのワンちゃんが亡くなっていましたが、フィラリア予防シーズン(通年投与も可)に毎月予防薬を投薬して駆虫していただくことでほぼ100%症状の発症を防ぐことができます。また近年ではネコちゃんでもフィラリア症が認められており、猫の飼い主さまの関心も高まりつつあります。

ノミ・マダニ予防

1年を通しての投薬

ノミやダニは草むらや植木など、お散歩コースに身近にいる活動性のある寄生虫です。皮膚に寄生して痒みや皮膚病を生じる他、その他の病気(バベシア症、ネコひっかき病、サナダムシなど)の感染源になります。生体に大量寄生すると貧血を生じることもあります。最近ではマダニが関与する人のSFTS(重症熱性血小板減少症候群)でも関心が高まっています。ノミ・ダニは暖かい時期に活動性が高まりますが、寒い時期でも活動しているため年中通しての予防をお勧めします。また人の靴や衣服などにくっついて屋内に持ち込むこともあるため、散歩をしないワンちゃん、ネコちゃんへのケアも必要といえます。

口腔内ケア

①→③へとステップアップしていきます。

  • まずは口の周りを触ったり唇をめくったりや歯ぐきを撫でることができるようになること
  • シート・指サックで歯を磨けるようになること
  • 歯ブラシを用いて歯を磨ける

ポイント

ステップごとにできた時はよく褒めてあげてご褒美を与えてあげてください。

  • 口を触れられるとが良いことであることを認識してもらいます。
  • 手早く歯に触れる程度からでも大丈夫です。犬歯から始めると嫌がりにくいです。
  • いよいよ歯ブラシを用いて歯と歯ぐきの境界あたりを中心に磨いてください。

歯石が付いてしまったら

全身麻酔下でスケーラーという機械で歯石を除去したり、グラついてる歯を抜歯する他、全身麻酔が適用出来ない子についてはその他のご提案をさせていただきます。

避妊・去勢

メリット

  • 望まない妊娠を避けることができます
  • オスの場合は精巣腫瘍、肛門腺周囲腫瘍、前立腺肥大の予防
  • メスの場合は子宮蓄膿症、卵巣腫瘍、乳腺腫瘍の予防
  • しつけトレーニングがしやすくなります
  • 偽妊娠の予防
  • 早めの去勢でマーキング・マウンティング行動を予防できる
  • 発情に伴うストレスや興奮を抑えることが出来る

デメリット

  • 将来、子どもを望めないこと
  • 基礎代謝の減少により太りやすくなること
  • まれに失禁症になること
  • 麻酔による影響(術中、術後合併症)

適期

  • 未成熟の6ヶ月前後での手術をお勧めします。(大型犬でも10ヶ月まで)
  • 手術前に診察をお受けください。身体検査上のチェック事項の確認や手術の流れ説明、その他のアドバイスなどをさせて頂き、手術日を決定させていただきます。
  • できれば手術の2週間以上前に混合ワクチンの接種をお済ませください。
  • 当院の避妊・去勢手術は一部を除き、基本的に日帰りで可能です。(術後の判断で1泊お預かりの場合がございます。ご希望により術後お預かりも可能です)

獣医学的メリットはデメリットをはるかに上回ります。ご不安な点やご質問は当院まで。